かくかくしかじか

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つけペン(1) - ペン軸の選び方と調整

東京スライダのペン軸

ペン習字の通信講座がきっかけで、つけペンを使うようになりました。万年筆よりも美しい線が出せますが、慣れるまでちょっと大変でした。

つけペンを使っていく中で見つけた、良い道具や使い方の工夫などを、少しずつ紹介していきたいと思います。


手に合った「太さ」と「重量バランス」の軸を探そう

ペン軸は、文具店や画材店などの店頭で、実際に手にとってみた方が、自分に合った軸の太さや重量バランスのものを探しやすいです。

でも、近くに取り扱っている店がないという場合、「東京スライダ」は、太さや重量バランスが比較的良い方なので、おすすめです。

写真は、今持っているペン軸を並べたものです(全て東京スライダ)。デスクペンはサイズ比較のために一緒に撮りました。

東京スライダのペン軸とリスト用の数字
  1. デスクペン DP-1000AN ブラック:ペン先 ステンレス
  2. デスクペン KDP-3000A レッド:ペン先 14K
  3. SL1994 標準タイプ 木目 こげ茶:↓ を自分でカット加工
  4. SL1994 標準タイプ 木目 こげ茶:長さ 176mm, 最大径 10.5mm
  5. SL1990 標準タイプ 黒:長さ 176mm, 最大径 11mm
  6. SL1993 標準タイプ 木目:長さ 176mm, 最大径 11mm
  7. SL2020 太軸 木目 茶 :↓ を自分でカット加工
  8. SL2020 太軸 木目 茶 :長さ 186mm, 最大径 13.5〜14mm
  9. SL2050 先玉くびれタイプ:長さ 167mm, 最大径 13.5mm

東京スライダ - 標準

SL1994(木目 こげ茶):木目の凹凸は少なめ。ニスのおかげか、手に持った時に滑りにくいです。私の手には一番しっくりと馴染み、お気に入りです。

SL1990(黒):サラサラした塗装で、少し滑りやすい。軽く握りたい人や、汗をかきやすい人に向いてそう?

SL1993(木目)は、木目が荒めで滑りにくいです。木目の微妙な凹凸を指に感じるので、好みが分かれるかも。

東京スライダ - 太軸・その他

SL2020(太軸 木目 茶):手の大きな方や、大きな字を書く時に向いていると思います。ニスで滑りにくく、手によく馴染みます。あと、写真に取り忘れましたが、これと同じサイズでは、木目が荒めで滑りにくいタイプの「SL2001」もあります(SL1933と似たような木質です)。

SL2050(先玉くびれタイプ):私はペンをやや立て気味に持つのですが、このタイプは少し書きづらく感じました。ペンを寝かせてゆったりと持つ、という方に向いているかもしれません。


軸をカットして、重量バランスを前寄りに

「写真1」の上から3番めと7番目は、自分でカット加工したものです。

同じペン軸でも、書く人の手の大きさや書き方によって、重量バランスが合っていたり、合わなかったりすることがあるかもしれませんが、「ペンの後ろが重い」と感じる場合は、切ってみるととても書きやすくなります。

手塚治虫先生の「マンガの描き方」という本に、「ペン軸が長すぎると 重いうえに 使いにくく 軽い線が引けない」、「軸のはしを折ってごらん すごく軽くなる」という説明がありました。このことはマンガだけでなく、ペン習字にも当てはまるような気がします。

加工の手順

ノコギリで切るだけでも良いのですが、仕上げをきれいにして長持ちさせる方法も書いておきました。

  1. ノコギリで1センチ〜5ミリずつ切っていき、理想のバランスに近づいてきたら、少し手前で止めます。
  2. サンドペーパーを平らな所に敷き、ペン軸の切り口を垂直に当てながら研磨します。最初は#320、仕上げに#600だと作業が早いです。#600だけでも出来ますが、少し時間がかかります。
  3. 切り口が平らになったら、切り口の角を#600のペーパーに当て、少しずつ回転させながら面取りをします。
  4. 切り口にニスを塗り、乾いたらもう一度塗って乾燥させます。ニスは面倒なら塗らなくても良いのですが、切り口に水がつくと木が膨張してニスが剥がれやすくなるので、塗っておいた方が長持ちします。

ノコギリ

机の引き出しに入るくらいの小さなノコギリがあると、思い立った時に木の加工ができて便利です。「ポケット 100」には様々な刃の種類がありますが、「細工用」は目が細かく、表面に傷が入りづらいので、ペン軸や書道の筆軸の切断にも向いています。

サンドペーパー

最初に#320、仕上げに#600という番手の選び方は、以前、箸の修理で使用した「水性工芸うるし」という漆調塗料の説明を参考にしました。

9.2×23cm/5種類各2枚 (#150, #320, #600, #1000, #2000)

ニス

パジコの「水性ニス シーラー」は、水性で扱いやすく、厚塗りなので軸が丈夫になります。

以前、百均のマニキュアをニス代わりに、水彩筆のカットした軸に塗っていたことがあったのですが、水が侵入しやすいようで、しばらく使っていたら軸がひび割れてしまいました。やはりちゃんとしたニスを塗った方が良いですね。


自分に合う軸の直径を知る

ノギスでペンの直径を計測

使いやすいペン軸を見つけたら、その直径をノギスで測っておけば、他のペン軸を選ぶ時の参考になります。 シンワ測定の「プラスチックノギス ポッケ」は、ポリカーボネート樹脂なので、測る時に筆記具を傷めにくいです(アルミ製は、バリ取りがしっかりしたものを選ばないと、ニス塗りやプラスチックの筆記具にキズが入ることがあります)。今回の記事のペンも、このノギスでサイズを測りました。


日ペンのボールペン習字講座