つけぺん(4) - ペン先の研ぎ方
使ってみて良かったペン
日本字ペン
ペン先は最初、「日本字ペン」を使っていました。メーカーはタチカワと日光があり、タチカワは硬め、日光は柔らかめです。
私は、ペン先を調整したペンを立て気味に持って書くのですが、その場合だと、タチカワの方が書きやすいと感じました。
Gペン
次に、線に強弱が出したくなり、ゼブラのGペンを使い始めました。自分の手に合っているようだったので、より長持ちのする「チタンGペン」に変えました。
「チタンGペン」は通常のGペンの3倍の値段ですが、3倍以上長持ちします。私は砥石でペン先を調整しながら使うのですが、ペンが丈夫だと、研ぐ回数が減ってメンテナンスが楽になります。
ペン先の研ぎ方
ペン先に引っかかりを感じる場合、砥石で研いで調整すると書きやすくなります。また、使っていくうちに線が太くなったり、ペン先が削れて新たな引っかかりが出来てしまった場合にも、研ぎ直すとある程度は復活します。
写真はGペンですが、日本字ペンなどでも同じように調整できます。
慣れないうちは失敗することもあるので、心配な方は、少し古くなってきたペン先で練習してみてください。
1. 準備
砥石を水で濡らし、ペーパータオルか布の上に置きます。
2. タテ線の幅の調整
筆記する時と同じようにペンを握り、砥石に長い「タテ線」を何十本か引いて、不要な紙にタテ線で試し書きをします。好みの太さ・滑らかさになるまで、これを繰り返します。砥石に書く時は、最初はペンを寝かせ、次第にペンを立てていくと、満遍なく研ぐことが出来ます。
3. 横線の幅の調整
砥石に、平たい「Z」を連続で何回か書きます。紙に試し書きをし、引っ掛かりがなくなるまでこれを繰り返します。最初はペンを寝かせ、次第にペンを立てていくと、満遍なく研ぐことが出来ます。
4. 左右の角の面取りで、曲線を書きやすく
ペンを右に倒して、砥石に長い線を何度か引き、左も同じようにします。紙に試し書きをし、引っ掛かりがなくなるまでこれを繰り返します。
5. スリットの内側の面取りで、はねを書きやすく
「し・レ」や、「小」などの「漢字のはね」が引っかかる場合は、スリットの内側を研ぐと滑らかになります。
砥石に「し・レ」の字を書きます(スリットの内側を研ぐ動作になります)。何回か書いたら、紙に試し書きをし、引っ掛かりがなくなるまでこれを繰り返します。左右が逆の「し・レ」の字も、同じようにして調整します。
やりすぎると、ペン先の左右の長さが極端に違ってくるので、ルーペで確認しながら少しずつ進めます。削りすぎた場合は、縦方向の調整からやり直します。
6. その他の調整
上記の方向以外に引っかかりを感じる場合は、その書き方で何回か砥石に書きます。紙に試し書きをし、引っ掛かりがなくなるまでこの手順を繰り返します。
これもやりすぎると、ペン先の左右の長さが極端に違ってくる場合があるので、ルーペで確認しながら少しずつ進めます。削りすぎた場合は、縦方向の調整からやり直します。
7. 太くなったペン先の調整
研ぎすぎた時や、使っていくうちに太くなってしまった時には、ペン先の左右の面をそれぞれ研ぐと、ある程度細くすることが出来ます。でも限界がありますので、調整しても書きづらい場合は、諦めて新しいペンに交換しましょう。
8. 調整後のペン先と、左利き用の調整
調整したペン先をルーペで見ると、下の写真のように斜めに削れていて、右利きの人は、「左が高く、右が低く」なり、左利きの人は、その逆になっていると思います。
万年筆では、左利き用のものがありますが、つけペンのペン先なら、自分で研ぐことで、右利きでも左利きでも、使いやすいものに調整ができます。
調整後のペン先(写真左)と、ペン先の拡大(写真右)
備考1:ペン先のスリットのズレ
上の写真は、ペン先のスリットが真ん中で切れていますが、個体差でスリットが右や左にズレているものもあります(ルーペで確認できます)。
調整で書きやすくなることもありますが、改善できない場合はハズレを引いてしまったと諦め、ペン先を新しいものに交換しましょう。
備考2:使用した道具
砥石
上記のペンの調整で使用したものです。万年筆の調整でよく使用される「研磨フィルム」より長持ちし、研ぎ心地も安定しています。
ルーペ
ペン先調整では、拡大率15倍くらいが見やすいです。 でも、焦点の合う範囲が狭いので、使いづらい場合には10倍も試してみてください。
「PEAK ルーペ」は、レンズの透明度が高く、ゆがみも少ないです。下半分が透明なのでよく光が入り、明るい状態でペン先を見ることが出来ます。