かくかくしかじか

かくコト、かくモノ

書道の古典 -「雁塔聖教序」で、楷書を練習

目次

  1. 臨書なら、書の古典のすべてがお手本
    書道の独学は「臨書」も良い方法
    書道のテキストの種類
  2. 「雁塔聖教序」をベースにしたテキストで臨書
    「拡大法帖」から半紙用手本を自作
    通常の「法帖」で、足りない文字を補う
    改訂版 書道技法講座シリーズ
    新装版 拡大法書選集シリーズ

臨書なら、書の古典のすべてがお手本

褚遂良「雁塔聖教序」を練習

褚遂良「雁塔聖教序」を練習しています

書道の独学は「臨書」も良い方法

道教室では、先生のお手本を先に習った後に臨書を始める、という所も多いのではないでしょうか。でも独学の場合、最初から自分の好きな「書の古典」を選んで、臨書(手本を横に置き、真似て書く)で練習をすれば、その古典が「超一流のお手本」となってくれます。

「書の古典」というと、何だか固い感じがしますが、音楽でいうところのベートーヴェンモーツァルトのようなもので、昔から大勢の人々に愛され、受け継がれてきた作品や書家たちのことです。

自分に合わないと感じたら、他の古典を選び直してもいいし、しばらくお休みした後に再チャレンジ、というのいいかもしれません。どちらの場合でも、誰に気兼ねすることもなく自分のペースで学べます。

目次に戻る 》


書道のテキストの種類

テキストを選ぶ時には、以下のような選択肢があると思います。

  1. 現代の書家の先生が、その方の書風で手本を書いたもの
  2. 古典の文字や文を、臨書しながら学習を進めていくもの
  3. 古典そのものの写真や拓本を印刷した本(法帖)

自分の好きな書家や先生の本があるなら、それから始めた方がやる気も出て長続きすると思います。でも私は特になかったので、1と2の中間のような本で始め、結局2と3も買い足すことになりました。

目次に戻る 》


「雁塔聖教序」をベースにしたテキストで臨書

「石川九楊の書道入門」と自作の半紙大手本

石川九楊の書道入門」と自作の半紙大手本

楷書は、欧陽詢の「九成宮醴泉銘」も素敵だと思うのですが、私は直線が苦手なので、楷書でもちょっと行書に近い、褚遂良の「雁塔聖教序」をベースとした「石川九楊の書道入門」で書道を始め、今も続けています。「30日で基本完全マスター」と書いてはありますが、じっくり取り組むとけっこう時間がかかります。

お手本のサイズは、先生のものはある程度大きいのですが、「雁塔聖教序」の方は小さいです。先生のお手本を真似て書けばよいのかもしれませんが、やっていくうちに古典の方の臨書がしたくなってきました。

「雁塔聖教序」のオリジナルは、中国の唐の時代に石碑に彫られたもので、拓本を取って本に仕立てた「法帖」が、昔から手本として使用されています。1字3センチ四方ほどの小さな文字で、このテキストに載っているのもオリジナルの大きさのようです。

石川メソッドで30日基本完全マスター

目次に戻る 》


「拡大法帖」から半紙用手本を自作

「雁塔聖教序の拡大法帖」と自作の半紙大手本

雁塔聖教序の拡大法帖」と自作の半紙大手本

書道は全くの初心者で、大きな手本があった方が書きやすいので、拡大した法帖「雁塔聖教序―唐・褚遂良 (精選拡大法帖 11)」を買い足しました。

このままでも大きくて良いのですが、どうせなら半紙のマスと同じ大きさにしたいし、「黒地に白抜きの文字」だと実際の線の太さが分かりづらいので、プリンター複合機でスキャンし、Photoshop Elementsで大きさを調整、白黒反転などの加工をして、自作手本を作成しました。

画像が小さいくて見えづらいのですが、十字のガイドラインも薄く入れてあります。半紙も十字ガイド入りのものを使用すると、練習がよりはかどります。画像編集ソフトを使うのが好きな方にお勧めの方法です。

唐・褚遂良 (精選拡大法帖 11)

目次に戻る 》


通常の「法帖」で、足りない文字を補う

「雁塔聖教序の法帖」と自作の半紙大手本

雁塔聖教序の法帖」と自作の半紙大手本

拡大法帖は抜粋版なので、テキストに掲載の字を探しても、ないものがいくつか出てきました。通常の法帖を買って、高解像度でスキャン・加工したのですが、残念ながらあまり鮮明にはなりませんでした。ないよりはあった方が良いのですが。

唐・褚遂良/楷書 (中国法書選 34)

目次に戻る 》


改訂版 書道技法講座シリーズ

白黒反転し、文字と背景をきれいに仕上げた「改訂版 書道技法講座」というシリーズもあるのですが、「雁塔聖教序」は、現時点では中古でしか入手できないようです。良い本なので、ぜひ再販して欲しいですね。私はたまたま書道用品店で売れ残っていた1冊を買うことができました。

このテキストも抜粋版ですが、自分で半紙大手本を作るのは割と手間がかかるので、併用すると少し楽になりました。手本のサイズは半紙よりやや小さめですが、9分割のグリッドが入っていて、付録の下敷があれば、半紙大に拡大しなくても十分に書きやすいです。

DVDも付属していて(収録時間は短いですが)、褚遂良の楷書の、基本点画を学ぶ助けになります。

楷書/唐・褚遂良 (改訂版 書道技法講座 4)

「復刊リクエスト」という方法も

復刊ドットコム」では、リクエストが集まった本の復刊をしています。私もリクエストの投票をしておきました。

目次に戻る 》


新装版 拡大法書選集シリーズ

新装版 拡大法書選集」の「雁塔聖教序」は、黒地に白抜きの文字ですが、文字と背景がきれいに加工されていて見やすいです。

目次に戻る 》

復刊ドットコム