かくかくしかじか

かくコト、かくモノ

オトナ初心者が「かな用筆」を選ぶ時

「寿命」と「価格」の悩ましい関係

かな用筆と墨

かな用筆は、毛束の量が少ないし、逆筆やアタリといった穂先を効かせる用筆も多いせいか、寿命が短めです。

本で読んだのですが、ある書家の方は7日くらいで交換するのだとか。きっと1日何時間も真剣に書かれるので、消耗もその分早いのでしょう。

私は、時間がある時に少しずつ書いて、何本かを使いまわしにしているので、もっと長持ちしていますが、お気に入りのものほど早く寿命が来ますね。

定期的に買い換える必要があるので、安くて品質の良い筆を探そうと、千円以下のものもいくつか買ってみました。でも、柔らかすぎて穂先のまとまりが悪いもの、逆に毛が硬すぎて美しい曲線が書きづらいもの、などに当たることが多かったです。なので今は、1,500円前後で選ぶようにしています。

いつでも買える「お気に入り」を見つける

品揃えの良い専門店が近所にない場合、地元の店や通販で「入手しやすく書きやすい筆」を見つけておくと安心です。

呉竹

つらゆき」は、鼬毛の面相筆。線が伸びやかで、逆筆やアタリの角度の調整もしやすいです。

しらさぎ」は鼬毛と羊毛の柳葉筆で、少し大きめのかなに向いています。かな入門のテキストには、大きめの手本が載っていることも多いので、初心者の方にもおすすめです。羊毛入りで墨持ちが良く、長い連綿も書きやすいです。

筆の老舗を訪ねた時のお土産に

都内の筆の老舗に立ち寄った時、自分へのお土産としてかな用筆を買って帰ることがあります(「寿命が短いし、小さいから収納にも困らないしね」と言い訳して 笑)。

一見、敷居が高そうに見える店でも、「初心者向けのものだと、いくら位からありますか?」、または「鼬毛の面相筆が欲しいのですが、千円から二千円位でお勧めのものはありますか?」などと質問すれば、条件に見合ったものをいくつか見せてくれるし、親切に相談に乗ってくれることも多いです。

かな用筆は消耗品で、老舗でも安い価格のものが置いてあることが多いので、その店の筆を知る良いきっかけになると思っています。かな用筆が良ければ太筆も、となるかもしれないし、高ければ上達した時のご褒美にとっておいてもいいですね。